兄貴が受けるカスタム依頼についてのお話
こんにちは、兄貴(@ANIKI_hateblo)です。
ここ最近エアガンを触る時間はあれど、ミニ四駆に触る時間があまりないのでミニ四駆記事を書けずにいます。
ミニ四駆は一度触り始めると無限に時間を食うため、もう少し仕事や生活環境が落ち着かないと再開出来そうにありません…。
(その無限のトライ&エラーが楽しいんだけど)
さてさて、前回の記事でもお話した通り、私はチームメンバーをはじめ色んな方からエアガンを預かって修理・調整・カスタムする機会が多いです。
このカスタムは趣味半分、実益半分でやっており、私の収入源の一つとなっています。
様々な銃のカスタムをする私ですが、しかしその依頼のほとんど、全体の80%は電動ガンです。
単純に機械物である電動ガンが故障する事が多いのもありますが(修理依頼)、実はその他にも理由があったりするのです。
今回はその辺についてお話しましょう。
依頼の80%は電動ガン
先程もお話した通り、私のもとへやってくるエアガンのほとんどは電動ガンです。
複雑なメカを内包する電動ガンはちょっとした事で不調になる事もあり、修理や調整の依頼が絶えません。
また、機構が複雑な分パーツ点数が多いので、カスタムの幅が広いのも理由の一つでしょう。
ほんの少しパーツを交換するだけで大きく特性が変わる事もあり、電動ガンは撃つ楽しみだけでなくカスタムする楽しみも多いエアガンと言えます。
カスタムを施し性能を上げれば自分自身のサバゲーレベルが上がる訳ではありませんが、そこはそれ。
自分の気に入った見た目と性能の銃で戦うのは純粋に楽しいものなのです。
電動ガンは引き出せる潜在能力が高いエアガンだと個人的には思います。
パーツ交換だけでなく、その組み込みの精度やちょっとした加工なんかでもかなり性能が変わって来ます。
エアーコッキングガンについて
では他のエアガンではどうでしょうか。
例えば1発ずつ手でコッキングして撃つ銃、いわゆるエアコキ。
マルイのスナイパーライフル、VSR10などもエアコキの一種です。
こちらもパーツの交換や調整で割と性能が変わるエアガンですが、電動ガンと大きく異なる部分があります。
それは、「コッキングしてトリガーを引けば弾が出る」と言う点。
何コイツ当たり前の事を言ってんだと思うかも知れませんが、エアコキに関してはこれが全てなのです。
つまり、カスタム出来る箇所としては
・初速アップ(スプリング周り)
・飛距離アップ(チャンバー、バレル周り)
・精度アップ(同じくチャンバー、バレル周り)
くらいが全てです。
電動ガンでは上記に加え、
・連射速度(発射サイクル)
・トリガーを引いてから弾が出るまでの速度(トリガーレスポンス)
・一度の充電で撃てる発数(バッテリー燃費)
・フルオート時の集弾性能
・作動時の静粛性
思い付くままに適当に挙げるだけでも、これだけ調整やカスタムで変化させられる箇所があるのですね。
つまり連射が効かないエアコキは電動ガンより構造的にも運用的にもシンプルだと言え、その分いじれる箇所も少ないとも言えます。
これを「いじり甲斐がない」と捉えるか、「シンプルな分突き詰めていじれる」と捉えるかは個人の自由ですが、単純に電動ガンに比べるといじれる所が少ないのは事実です。
ガスガンについて
もっと極端なのはガスガンだったりします。
先程の電動ガン・エアコキ共にBB弾を発射するのには空気圧を使います。
電動ガンならバッテリーとモーター、エアコキなら人力で内部のピストンを縮めて圧縮した空気で弾を飛ばします。
そのため、エアーをためるシリンダーやピストンスピードを決めるバネ、出口であるノズルの形状など様々な要素が存在します。
しかしガスガンの場合、弾を発射するのに使うパワーソースはガスです。
これはつまり、単純にパワーを上げようと思えばガスの圧力を上げるのが一番早いと言う事であり、つまりは他の部分のカスタムでどうにかなる物ではないと言う事です。
さらに加えて言えば、ガスの圧力を上げたり、一度に放出する量を上げたりしてパワーを上げたりすればその分各パーツの耐久性や一回のチャージで撃てる数(燃費)に悪影響を与える事になります。
パワーと耐久性・燃費がトレードオフなのは車やバイクと同じですね。
なのでメーカーさんもそのあたりのバランスはかなりギリギリで出荷しているのが実情です。
例えば電動ガンがフルに引き出せる性能の5〜6割で作られているのに対し、ガスガンでは出荷時で7〜8割程度の性能が出ているイメージです。
ガスは空気と違って一度にチャージ出来る量が決まっていますので、限られたリソースをどのように配分するか、つまりは「バランス調整」しかやりようが無いと言う事です。
ちなみに、ガスガンに使えるガスの種類は今現在4種類ほどあります。
一番メジャーなのがフロンガス。
HFC-134aと言うがガスが最もスタンダードで、同じような物でHFC-152aと言う種類もあります。
どちらもガスの圧力的にはほとんど変わらず、つまりは威力や飛距離もそれほど変わりません。
次に代替フロンと言うのも比較的最近出て来ました。
これは東京マルイから発売されているノンフロン・ガンパワーと言う製品がそれに当たります。
成分的にはHFO1234zeと言うガスにLPGを混ぜた物のようです。
地球環境にはやさしいようですが、まだあまりメジャーではないためか比較的高価でお財布にはちっとも優しくありません。
性能的には通常のフロンガスとほとんど差はなく、やはり威力も飛距離もそれほど変わりません。
最後の一つはCo2ガス。
国内だとマルシン製品の一部がCo2を使用するぐらいで、ほとんど普及していません。
理由としては比較的簡単に圧力の変更が出来てしまい、法定初速を超える数値を出せてしまうため。
マルシン製品は非常に安全性を重視して作られていますが、それでも簡単に手を入れるだけで危険なガスガンを作れてしまうようです。
これでは普及しようがない、と言うのが実情でしょうか。
実際にフィールドでもパワーソースがCo2のエアガンは使用禁止の所が多いように感じます。
気温の変化に強い上、キビキビとした動作を楽しめるのが特徴であるCo2ガスガンは、個人的にはもっと普及して欲しいところです。
ガスガンについては国内に正規流通している物であれば威力や飛距離に大きな差はなく、それであればカスタム出来る部分も自ずと決まって来ます。
ガスガンにおけるカスタムとは外装カスタム以外はほとんど微調整の域を出ず、かけた費用の割に劇的な変化を生まないため、単純に電動ガンやエアコキに比べてカスタムのコスパは悪いと言わざるを得ません。
もっと言えば、「ガス」と言う決まったパワーソースがある以上、性能的にはほとんどいじりようがないのがガスガンだと言えます。
まとめ
さてさて、このように種類別でお話すると何故私の所に来る依頼がほとんど電動ガンなのかがお分かり頂ける事と思います。
せっかくお金を掛けてカスタムするならコスパが良い方がいいですよね。
なので、私は基本的は電動ガンのカスタムを中心に引き受ける事にしています。
ガスガンにたくさんお金を掛けもらって、いざ完成して渡した時に「なんだこんなもんか」となればお互いに悲しい思いしかしないからです。
もちろん、どんなエアガンでも外装のカスタムと言うのは見た目そのものが変わるので大きな効果があると言えます。
カッコいい、と言う要素は時として内部の性能アップよりも戦闘力アップになったりする物です。
テンションやモチベーションは最優先で大切だと個人的には考えます。
外装カスタムによって自分好みの一挺を手に入れるのは大きな喜びです。
サバゲー沼とカスタム沼は似て非なる物です。
どちらも楽しいですが、カスタムの沼は本当に暗く、深い。
カスタムの幅の広さはそのまま沼の深さです。
せっかくハマるなら深い沼が良いと考えるか、それとも浅瀬でライトに遊びたいと考えるかはそれぞれの自由です。
皆様も良き沼ライフを…。(謎の締め)
今回はここまで。
最後までお読み頂きありがとうございました。
ではまた!