¥3,000で買ったジャンクベースを再生させるお話②
こんにちは、兄貴(@ANIKI_hateblo)です。
今回は以前ご紹介したジャンクベースの記事のその後のお話です。
色々な作業の合間にコツコツゆっくり進めていたら前回の記事からだいぶ期間が空きましたね。
今現在のお姿はこちら。
モデルナンバーはBJB-1R-LH、バッカスユニバースの低価格帯ジャズベです。
前回でとりあえず弾けるようになりましたが、そのまま使うのでは面白くない。
と、言う訳で今回はあのベースのリフィニッシュに挑戦します。
リフィニッシュとはつまり再塗装の事です。
その中でも今回は重要な作業となる「塗装剥がし編」をお送りします。
流石に楽器のリフィニッシュは初体験ですが果たして上手く行くのか。
それでは書いて行きましょう。
塗装剥がし
新しく色を塗り直すために、古い塗装を剥がします。
基本的に、ギターやベースなどの塗装は大きく分けて3つの種類があります。
塗膜が薄い順に
オイルフィニッシュ→ラッカー塗装→ポリ塗装
となります。
当然塗装が厚い方が防御力も高いのですが、その分木材本来の響きが損なわれてしまうとも言われています。諸刃の剣。
しかし様々な要因で塗装を薄く仕上げるには非常にコストがかかるため、このくらいの価格帯のギターやベースでは分厚い「ポリ塗装」がほとんどです。
当たり前ですが、塗装が厚い方が剥がすのも大変です。
コイツは手強いぞ。
最初に完全分解し、全てのパーツを外したら塗装割れや打痕などのチェックのためにボディ全体に#120のサンドペーパーを軽く掛けます。(サーフェイサーのようなイメージ)
全体的に見事なツヤ消し白になりました。
よく確認しましたが、やはり特に塗装割れや大きな打痕などはありませんでした。
大きく塗装が割れている場合、最悪木材まで割れているケースがあるのでチェックは大切です。
この時点でホームセンターに行き、色々買ってきました。
とりあえず写真右の売り場で一番安かった塗装剥離剤(¥400くらい)を厚めに散布し、1時間ほど放置します。
が、見事惨敗。
低価格帯ベースのぶ厚いポリ塗装には手も足も出ませんでした。全く変化なし。
環境に優しい剥離剤は塗料にも優しかった。
仕方ないので次は塗装剥がしの定番、「ドライヤーorアイロンで温めてスクレイパーで剥がす」方法に挑戦。
こちらも惨敗。
厚く、硬い塗料に手も足も出ません。
電気サンダーで軽く作業してみましたが、うるさい上に部屋が粉だらけになる割には全然削れず、これでは何時間かかるか分かりません。
全て試して惨敗したようすがこちら。
塗膜が薄かったのか、キャビティ内だけは塗装が落ちましたが下地は残ったまま。
サンダーを掛けた部分がこちら。
真ん中の色が薄くなってる部分が木地が露出している部分です。
思っていたより強敵だこれは…。
最終手段
仕方ないので最終手段です。
業務用の「超強力剥離剤」を購入。
シモダと言うメーカーの「ハクリパワー」と言う商品です。
コイツはなんでも剥がしてくれるすごいヤツですが、有毒な上に発ガン性まであり、とても手放しですすめられる物じゃありません。
使う際は必ず屋外で、ゴーグルとマスク、手袋を着用の上使いましょう。
皮膚に着くと激痛です。(本当に大丈夫なのかこれ)
ただ、前情報で聞いていたよりはニオイは大したことありませんでした。
パーツクリーナーの方が臭いくらい。
この剥離剤は強力なだけでなく、中性なので木材を傷めないのも特徴。
塗装は剥がしたいけど下地は傷めたくない楽器の塗装剥がしにもってこいです。
コイツを刷毛を使って塗装面に厚めに塗り、下調べした通り1時間ほど放置する事にします。
とろりとした青い薬液でした。
もう捨てる予定だった汚い刷毛なので異物混入してて見た目が汚い。
と、思ったら1時間どころか10分ほどでこの姿。
見る見るうちにプクプク・プチプチと音を立てながら塗装が浮き上がって行きます。こわ。
予想以上の反応に驚きながらスクレイパーでこそいでみると…。
/ズルッ\
すごい!すごいぞハクリパワー!!
これを何度か繰り返し、とりあえず塗装面がある程度剥がれた姿がこちら。
下地は残っていますが、今までの数々の苦労は何だったのかと言うくらい簡単に塗装が剥がれました。
ボディ裏面も同様にハクリパワーを厚めに塗布します。
こちらも早々に反応が始まりました。
剥離剤ってすげえなぁ…。
全体的に何度か塗っては剥がしを繰り返して、塗装が落ちた姿がこちら。
最終的に全体をよく水洗いして乾燥させます。
タワシや歯ブラシなどでしっかり洗い流しましょう。
剥離剤が残っていると後々厄介です。
おまけ
裏面を剥がしている最中に気付いたのですが、このボディには木材の「節」がありました。
安価なモデルだけあってこういう事もあるのですね。
これはこれで個性があって割と好きです。
そしてボディの面と裏に、それぞれ薄い木材が貼り合わせてある事が判明。
「突き板」なんて言ったりしますが、要するに化粧板の事ですね。
しかし塗りつぶしのモデルに突き板とは不思議な感じがします。
この突き板もポプラなんだろうか…。
あとは側面や細かなところなど紙やすりを使って手で仕上げます。
今回はマッチングヘッドにしたいので、ネックもヘッドの表面だけ塗装を落とします。
その前にちょっとだけ形を加工。
全体的に角を丸め、曲面に合わせて斜めにカットを入れます。
国産高級ギターブランドの「sago」のパク…オマージュですね。
ここまで加工したらボディ同様に塗装を剥がします。
ヘッドの塗装は大して厚くなかったので紙やすりで剥がしました。
さてさて、分かってはいたものの塗装を剥がすだけで一苦労です。
続きの作業は次回の記事にて。
次は塗装前の下地調整になりそうです。
今回はここまで。
最後までお読み頂きありがとうございました。
ではまた!