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VSRのストックを塗装したぞ【A.C.W】


こんにちは、兄貴(@ANIKI_hateblo)です。


以前の記事でご紹介した通り、私兄貴が色々なカスタムをお受けする「アニキ カスタム ワークス(A.C.W)」が正式にスタートしました。

今回はA.C.Wとしては第一弾の作業となる東京マルイ VSR-10のストック塗装についての記事になります。


私個人の塗装についての考え方や実際の作業工程についてお話します。


それでは書いて行きましょう。




サバゲーにおける塗装とは


さて、一言に塗装と言っても様々な手法がありますが、今回は私が考える「サバゲーにおける塗装」についてのお話。

つまりはエアガンの塗装についてなんですが、サバゲーならではの注意点があります。


それは、基本的に飾っておくだけのモデルガンやプラモデルと違い、サバゲーで使うエアガンは動きながら使うものであると言う点。


これは同じく動きのあるミニ四駆でも同じ事が言えますが、つまりは簡単に言うと塗装が剥がれやすいのです。


特にエアガンは可動する箇所があったり、使っている時に壁やバリケードにぶつけたりします。


ある程度の塗装剥がれは仕方ない部分でもあるのですが、なるべく剥がれづらく塗りたいところ。


ただ単純に塗装を分厚くしただけではかえって剥がれやすくなりますし、物によっては可動部の動きが渋くなったりしてしまいます。


ではどうするか。


まずは塗装の食い付きを最大限に引き出すため、下地処理を徹底的にやります。

その上で、さらに塗料を定着させるために使うのがこちら。




その名もミッチャクロン小林製薬みたいなネーミングですね。


コイツを素材と上塗りの間に塗布してやる事で、塗料が飛躍的に頑丈に乗ります。


さて、下地材の紹介も終わったところで、まずはお預かりしたストックの現状確認をします。




ストックの状態確認



今回のご依頼主はバリバリのサバゲーマー。


お預かりしたストックにも数々の戦いの痕跡が残されています。

まずは全体はこんな感じ。



遠目からみるとそこそこキレイですが、よく見ると使い込んだ分だけキズがあります。


グリップ部分や



その他の部分にも細かなキズがチラホラ。



ボルトアクションライフルの宿命ですが、ボルトハンドルが当たる部分にもキズがあります。



下地処理も兼ねて、これらの細かなキズは全て消してしまいましょう。

表面が滑らかなほど仕上がりもキレイになります。



それでは下地を作って行きます。




下地処理



今回使うのはスポンジヤスリ。



ホームセンターで安価に入手出来ます。

今回のストックのように、磨く物が曲面で構成されている場合は非常に重宝する道具です。


大まかにキズを消すために、まずは粗めの#150から使います。


と、その前に。

ストックパッドは作業の邪魔になるので外しておきます。

VSRのストックパッドはギュッと握ってグイッと捻ると外れます。(非常に雑な説明)



結構な量の粉が出るため、風呂場でひたすらゴシゴシします。


写真だと分かりづらいですが、とりあえず全体的にザッと磨いたところがこちら。



このように全体的に磨くと、最初は見えなかったキズが見えてきます。



見えて来たキズを重点的に、ある程度目立たなくなるまでひたすらヤスリがけします。


全体的にヤスリがけが終わったら、表面をスムーズにするのと削って取るには深いキズを埋めるためにサーフェイサーを吹きます。

ここでも剥がれづらさを優先するために、車用のサーフェイサーを使います。



ソフト99のプライマーサーフェイサー、通称プラサフ。

たっぷり入ってお得です。


これをキズが深いところを中心に、全体的にサッと吹きます。



ここからはひたすらサーフェイサー→乾燥→研磨、の流れを納得行くまで無限ループします。


このサーフェイサーを吹いてからの研磨には、先程と同じスポンジヤスリの#600を使います。



一週間ほどこの作業を繰り返し、下地処理が完成しました。



比較的深かったキズも、サーフェイサーでしっかり埋まって平面が出ました。



最初のキズ消しと合わせて下地完成までに2週間ほどかかっています。

塗装は下地作りに手間と時間をかけると仕上がりがキレイになります。





本塗装


さて、下地が出来たので塗装作業に入ります。


まずは先程のミッチャクロンを全体に軽く吹き付けて乾燥させます。


そうしたら、黒のスプレーをストックの肩側に吹いて行きます。


黒が乾いたら、表面をスムーズにするため塗装面に#1500の耐水ペーパーをかけます。



細かなキズも無事消えました。



この作業を3回ほど繰り返したら、今度はストックの半分ほどをマスキングして銃口側から1/3程度にシルバーのスプレーを吹きます。

黒とシルバーでグラデーションになるように上手いことやります。



グラデーション部分アップ



画像では白っぽくなっていますが、現物は粒子が粗めのシルバーです。

粒子が粗い方がギラギラした感じになります。



ここまで出来たら一旦完全乾燥させます。


塗り残しなどが無い事を良く確認したら、次に車用塗料のキャンディブルーのスプレーを全体に吹きます。



今回使うのはホルツのファッションカラースプレーです。

ちょっと値段が高いですが、発色が鮮やかで塗膜も強いので今回の塗装にはピッタリ。


ムラにならないよう、全体的に満遍なく吹いてから完全乾燥させます。



今回のように塗る物が大きい場合、塗る場所を変えながら薄く何度も重ねて行くと上手く仕上がります。


乾燥させたらラッカーのクリアを吹きます。

このラッカークリアは削るためのクリアなので、ある程度重ねて厚みを出した方が安心です。


乾燥させてから黒とシルバーの段差や表面の仕上がり具合が均一になるように再び#1500の耐水ペーパーで水研ぎします。


最後は仕上げのクリアー工程です。





クリアーを吹く



塗装膜を強固なものにするため、仕上げにウレタンクリアーを吹きます。


使うのは バイクのタンクを塗装した際にも使ったこちら。



ソフト99の2液混合ウレタンクリアーです。

使い切りタイプで価格もそこそこ高いですが、素晴らしい艶と強靭な塗膜を得られます。


使い方は普通の缶スプレーとそんなに変わりません。

ちょっと特殊なのは、使う前に下側のキャップを外し、ピンを中に押し込んでやる必要がある事ぐらいです。



コンクリの地面など硬いところに押し付けて押し込みます。ピンが結構硬いので注意。



ピンを押し込んだら10分程缶を逆さにして待ち、その後良く振ってから通常のスプレーと同じように全体的に吹き付けて行きます。


1回目と2回目は少し離してサッと塗ります。


乾いたら、3回目は缶とストックの距離を近付けて垂れる寸前まで厚塗りします。


乾燥させたら表面の仕上がりを確認します。



表面が荒れているところを#600→800→1500→2000の順で耐水ペーパーを掛け、半練りのコンパウンドで磨いて行きます。

この時のコンパウンドはある程度研磨力が高い物がオススメ。

私はギターなどのフレットを磨くためのコンパウンドを愛用しています。



フェルナンデスのスクラッチメンダーと言う商品です。

テクスチャーが適度に硬く、扱いやすいコンパウンドです。

ネットショッピングのほか、楽器屋さんに行くと簡単に入手出来ます。




この手磨きの工程をどれだけやるかによってツヤ具合が変わるので、納得行くまで丁寧に作業します。



表面がスムーズになったら最後は電動ドリルに研磨パッドを取り付けて、液体コンパウンドで仕上げます。


力を入れ過ぎないように、軽く表面を滑らせるように研磨して行きます。


ライトなどを当てながら、磨き残しが無いように注意して作業します。



最後にマイクロファイバーのクロスで磨いたら



完成!!



なかなか良い仕上がりになりました。




缶スプレーのみで仕上げたにしては上出来です。


ただ、季節がら気温の上下が激しかったり雨続きで湿気が多かったりと、塗装するには厳しい条件でした。

やはり一部ゆず肌っぽくなっていますね。



ここからさらに研磨する事も出来ますが、この状態でご依頼主様にお見せしたところ大変満足頂けたのでそのままお渡ししました。



ご満足頂けたようで本当に良かった!




塗装系のご依頼は塗料の乾燥時間などの関係でどうしてもお時間を頂いてしまうのですが、その分丁寧に作業しますので是非ご相談下さい!




今回はここまで。




最後までお読み頂きありがとうございました。


ではまた!