ミニ四駆復帰組が知っておくべき変化④
こんにちは、兄貴(@ANIKI_hateblo)です。
前回までの記事で、
「ジャンプ・モーター」
「ブレーキ」
「マスダンパー」
についてお話ししました。
そろそろミニ四駆ネタも飽きて来る頃かと思いますが、今回でミニ四駆の話題は一旦終わりです。
どうか最後までお付き合い下さいませ。
さて、今回は第二次ブームからの変化の中で、個人的に最も革新的だった部分について記事にします。
その名も、「ダブルシャフトモーター(両軸モーター)」。
それでは書いて行きましょう。
ダブルシャフトモーターとは
ダブルシャフトモーター(以下、両軸モーターと呼びます)とは、その名の通りモーターの両端からシャフトが出ているモーターの事です。
百聞は一見にしかず。
こちらをご覧ください。
タミヤ 【ミニ四駆】 GP487トルクチューン2モーターPRO |
モーターの両側からシャフトが飛び出ているのが分かるかと思います。
もちろん、これは従来のシャーシに取り付ける事は出来ません。
ではこのモーターは一体なんなのか?
順を追って説明します。
ミニ四駆PROの登場
2005年11月、タミヤはこれまでと違う全く新しいシリーズを発売します。
それが「ミニ四駆PRO」シリーズです。
タミヤ 1/32 ミニ四駆PRO アバンテMk.II(T9820) |
(画像はミニ四駆PROシリーズのアバンテMk.Ⅱ)
新デザインのボディもさる事ながら、一番注目を集めたのは新シャーシ、その中でも新型のドライブ方式でした。
これまでのミニ四駆は、
「シャーシ後部(FM系は前部)に横向きに搭載したモーターの動力を後輪(前輪)の車軸に伝え、車軸からプロペラシャフトを介して前輪(後輪)に伝える」
と言う物でした。
ミニ四駆PROシリーズと同時に登場した新シャーシ、「MSシャーシ」。
このシャーシはそれまでの「プロペラシャフト」を廃し、
「シャーシ中央に縦に配置したモーターの両軸から、動力をそれぞれのギアを通して直接前後輪に伝える」
と言う革新的技術を持って登場しました。
実はこれまで当たり前に採用されていたプロペラシャフトは各部の抵抗が大きく、モーターの動力をかなり損失していました。
このプロペラシャフトによる動力伝達を見直し、モーターでダイレクトに駆動する事で大幅な駆動効率の向上を実現したのがこの「MSシャーシ」です。
今までと全く違う構造を採用する事で、文字通りミニ四駆に革命をもたらしたのです。
反対に、これまでのモーターは「片軸モーター」と呼ばれる事になります。
MSシャーシのその他の特徴
両軸モーターの話からは逸れますが、このMSシャーシには他にも大きな特徴があります。
それは、シャーシをフロント・センター・リアとユニット別で3分割出来る構造です。
タミヤからそれぞれのユニット毎にパーツが出ており、ユーザーは好きな組み合わせでシャーシを組む事が出来ます。
これにより、マシンバリエーションはかなり広がりました。
ミニ四駆PROの弱点
もちろん、いい事ばかりではありません。
ギヤの数を減らし、ダイレクトに駆動させるようになった結果、当然のようにモーターへの負荷はかなり増えました。
今まで各ギヤが吸収していた負荷を、モーターが一身に背負う事になったのですね。
そのため、極端に重いマシンだったり、極端な上り坂などではトルク(前に進む力)不足である事が多くなります。
これまでのミニ四駆では、バランス重視のアトミックチューンモーターが大会での定番でした。
しかし上記の理由によりミニ四駆PROではアトミックチューンよりトルクの太い、トルクチューンモーターが定番の座に着きます。
また、丈夫なモノコック構造ですが、それがそのまま重量に直結しており、全シャーシ中最も重くなってしまいます。
さらに、シャーシのセンターにモーター、その両サイドに電池を配置した関係上、どうしても真ん中が太くなり、大径タイヤなどを取り付ける際に工夫が必要となっています。
こうして見ると、今までにない構造を取り入れた事による弱点ばかりですね。
やはり何事も、「何かを得るためには何かを失う」のでしょう。(ドヤァ)
その他のシャーシ
MSシャーシともう一つ、両軸モーターを使用するシャーシがあります。
それが2013年6月発売の「MAシャーシ」です。
入荷済み!ミニ四駆 MAシャーシ ★ミニ四駆 シューティングプラウドスター |
このシャーシではMSシャーシでの3分割構造をやめ、一体形成となっています。
そうする事で構造の単純化と、さらなる駆動効率と剛性アップを図っているようです。
単純比較でどちらが良い、と言う物でもないですが、初心者の方にはこちらの方が分かりやすいかも知れません。
一体形成にした事による弊害なのか、重量はMSシャーシよりさらに重くなってしまいました。
2017年現在、両軸モーターを採用するシャーシはMSとMAの二種類のみです。
どちらも、今までにない駆動効率のおかげで「最初から速い」です。
キットに付属する部品を説明書通りに組むだけで、驚くほどの性能を見せてくれます。
決して片軸モーターのシャーシが遅い訳ではありませんし、結局どちらも一長一短なので、
いきなり速いマシンが欲しい→
・MS、MAなどのミニ四駆PRO
昔やっていた形に近いマシンが欲しい→
・片軸モーターのミニ四駆
ぐらいの感じで最初は選ぶと良いと思います。
どのシャーシにも優勝者はいますので、言い方を変えれば片軸モーターのシャーシの方が「伸び代」があるのかも知れません。
紹介していませんでしたが、実は片軸モーターにも新型シャーシが登場しており、第二次ブームまでのシャーシを正統進化させた物となっています。
スーパー1、ZEROシャーシ→
・スーパー2シャーシ
TZシャーシ、TZXシャーシ→
・ARシャーシ
第二次ブームの頃やり込んだ方は、新型の片軸シャーシだと以前の知識がそのまま生かせるかも知れません。
どちらにしろ、ある程度ミニ四駆をやっていると色々欲しくなるので、まずは気になるマシンを買ってしまうのが良いと思います。
私も結局片軸両軸共にマシンを所有しています。
最初に買うオススメのマシンやシャーシ、パーツなどについてはそのうち紹介出来ればと思います。
さて、四回に分けて長々とミニ四駆について語ってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
これからやってみたい、復帰したい方のお役に少しでも立てれば幸いです。
次回からはまた話題を変えて書いて行こうと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
ではまた!