ミニ四駆復帰組が知っておくべき変化③
こんにちは、兄貴(@ANIKI_hateblo)です。
前回までの記事で、
「ジャンプ」「モーター」
「ブレーキ」
についてお話ししました。
今回はその続き、着地制御のお話です。
それでは書いて行きましょう。
ブレーキの弱点
さて、前回はブレーキによってジャンプ台進入前に適切な速度や姿勢にする、と言うお話しをしました。
しかしこれだけではクリア出来ないコースもあります。
代表的なもので、「ジャンプ台が高く、着地の瞬間にマシンが跳ねて(バウンドして)コースアウトしてしまう」コースなどがそうです。
そう、ブレーキでジャンプ手前〜ジャンプ中までは制御出来ても、着地の瞬間までは制御出来ないのです。
そこで、マスダンパーの登場です。
マスダンパーとは
マスダンパーとは、簡単に言うと「重り」、ウエイトです。
これも第二次ブーム経験者からするとあり得ない要素だと思います。
スピードアップと軽量化がキモであるミニ四駆に重りをつけるだなんて、どういう事?
私もそう思いました。
説明します。
ミニ四駆パーツ GP.392 マスダンパーセット[タミヤ]《発売済・在庫品》 |
これがマスダンパーです。
形や大きさはいくつかバリエーションがありますが、基本的な正体は「真鍮の塊」です。
円柱形であったり、四角であったりします。
元々は同じタミヤの「ダンガンレーサー」のパーツを元に考え出されたようです。
限定商品などでは、表面がメッキされていたり色が塗られていたりします。
ミニ四駆特別企画 マスダンパーセット (ブラック)(再販)[タミヤ]《発売済・在庫品》 |
限定のブラック版。カッコイイ!
真鍮なので、黒で良ければユーザーで染める事も出来ます。
(私もいくつか染めました)
限定のメタリックな黒と違い、少し青みがかったキレイな黒に染まります。
これはこれでアリだと思います。
染めるのに必要なのはこちら
バーチウッド ブラスブラック メタルフィニッシュ 黒染め液 真鍮 | ガンブルー液 サビ止め処理 防錆加工 金属皮膜処理 金属塗装 Birchwood Casey |
バーチウッドと言うメーカーの、ブラスブラックと言う薬液です。
化学反応を使って表面に被膜を作る事で黒く染めます。
使い方は、まず薬液を綿棒や古いハブラシなどで染めたい物に塗ります。
すると塗った場所からすぐに色が変わって来ます。
ティッシュなどで拭き取り、そのまま水洗いします。
細かい所まで良く洗わないと反応が進んで錆びるので、しっかり洗います。
乾いたティッシュなどで拭き取り、シリコンスプレーなどの油を注したら完成です。すごく簡単。
真鍮ならなんでも染まるので、一つあると重宝します。
マスダンパーの取り付け
初歩的なセッティングの一例ですが、
まずは取り付けたい場所に長いビスなどを立てます。
そしてマスダンパーをこのように取り付け、上をナットやスタビヘッドなどでマスダンパーが飛び出さないようにします。
自由に上下可動出来るように設置しました。
これを左右対象に取り付けます。
マスダンパーの作用
走行中にマシンがジャンプした際、マスダンパーは上方に移動します。
そして、マシンが着地する瞬間と少し遅れてマスダンパーも下方に移動します。
そうすると、ちょうど着地してマシンが跳ねようとする所を、遅れてきたマスダンパーが上から抑えつけるように作用します。
この作用により、着地の瞬間の跳ね上がりを抑える事が出来るのです。(写真は全てイメージ)
画像でわかりづらかったらゴメンナサイ。
元々はユーザーの一人が考え出した機構であると言われます。すごい。
(ミニ四駆は元々、ローラーやスタビなどユーザーが考え出した機構が数多く存在します。)
マスダンパーが大きく、重い程抑え付ける効果は増します。
が、そのものは「重り」であるため、あまり沢山色んな箇所に取り付けると単純にマシンが重くなり結果的にスピードダウンしてしまいます。
この辺りの調整は走らせて様子を見ながらやります。
マスダンパー取り付けのお約束
基本的にマスダンパーは「重り」ですので、出来るだけ低い位置に取り付ける事でマシンの重心を下げる事が出来ます。
マシンの重心は低ければ低い程安定性が増すので、意識的に低い位置に取り付ける事が大切です。
また、タミヤのレギュレーション(ルール)により、前後ローラーの中心軸(ローラー取り付け軸)より内側に収めるように設置しなくてはいけません。
マスダンパーはフリーで設置する事が多く、円柱形のマスダンパーはくるくる回転します。
ミニ四駆のルールでローラーは6つまでと決まっているので、ローラーより外側に装着して円柱形のマスダンパーをローラーとして機能させないためこのようなルールになっています。
もともとローラーとして機能出来ない四角いマスダンパーはローラー軸より外側に取り付けても大丈夫です。
主な取り付け場所
マスダンパーを設置する場所は主に
・フロントバンパー
・サイドステー
・リアバンパー
のどれかが多いです。
それぞれ、フロントマスダンパー、サイドマスダンパー、リアマスダンパーと呼ばれます。そのままですね。
基本的には「前タイヤのすぐ後ろ」であるサイドマスダンパーが最も効果があると言われ、タミヤからもその位置に設置出来るパーツが販売されています。
ミニ四駆 グレードアップパーツ GP.459 ARシャーシ サイドマスダンパーセット[タミヤ]《取り寄せ※暫定》 |
こちらの商品では、サイドに取り付けるステーが一緒に入っています。
私も同じような商品を利用しています。
フロントやリアも効果的ですが、コースにより相性があるので色々試してみましょう。
また、同じマスダンパーでも様々な取り付け方があり、ユーザーによって個性が出るところです。
有名なところで「サイドギロチン」「東北式マスダンパー」などがあります。
それらをさらに発展させた「ヒクオ」なんかもありますが、カーボンプレートの切削など複雑な加工が必要なので初心者向けではありません。
それぞれ機構が大変面白いので検索してみると楽しいです。
さて、ここまで解説しましたが、マスダンパーはつまる所「重り」です。
着けないで完走出来るのであれば、なるべく着けない方がマシンが軽くなり速くなります。
必要最低限のマスダンパーでクリア出来るようにマシンをセッティングしましょう。
まとめ
- ジャンプ前の減速と姿勢制御には「ブレーキ」が必要だが、着地の制御は出来ない
- 着地制御には「マスダンパー」が有効である
- 重りなのでなるべく低い位置に着ける
- 重りなので、無駄に着けない(着けないで済むなら着けない)
- 着ける際は、ルールをしっかり確認する
いかがでしょうか。
前々回の「ジャンプ」と「モーター」、前回のそれに対応するための「ブレーキ」、
そして今回は「マスダンパー」のお話しでした。
以前のミニ四駆より、マシン作りのバリエーションが段違いに増えている事がお分かり頂けたと思います。
このバリエーションの多さが、昨今ミニ四駆が盛り上がって来ている原因の一つだと私は思っています。
工夫を凝らした個性的なマシン作りは大変楽しいです。
次回はまた別のお話しを記事にしたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
ではまた!